2017年7月31日月曜日

平成29年7月30日(土)晴れ

 今日は良い天気。

 6時頃起きて、太陽光でお湯を作るため、4合瓶に水を入れたものを、発泡スチロールの箱の中に入れて、それにガラスで蓋をして、日向に置いておいた。そしてまた寝た。

 8時半に起床。
 今日はトゥバラーマの妥協なき完全理解をした。
 なかなか時間がかかるものだ。

 昼はカレー屋に行った。空いていたがマスターはいなかった。

 マスターの息子さんとと、安倍政権やら電気自動車やら、液晶パネルやらでお話した。

 帰って、札幌整形外科開業医会50周年誌の編集をガンガンやった。 

 夕方ネタ。
  
 起きて漢字。暫くしたら、お風呂。ぬるい。

 そのあと漢字。

 夜中に三線 車の中で。

 主にとぅばらーま

 いろいろな歌詞でやった。

 仲どう道から、とか、

 紺染みや 藍しどぅ 染みる、とか

 染みて 染みらば 花ぬ 紺染み、とか

 可惜、妹や 石じんが 名ば 残し、 など

 本調子にして、

 川良山  くいぬぱな

 鳩間節 正調 早調子

 など

 
 日記を書いて寝る

 トゥバラーマ 妥協なき 完全理解の 吹き込みは明日であろう。


 今日はもう遅い。

 7月も明日で終わりか


2017年7月27日木曜日

日本人のための英語学習のゴール  ・・・8000の英文の準暗記の勧め

日本人のための英語学習のゴール
 ・・・8000の英文の準暗記の勧め

 何事にもゴールがある。ゴールが明瞭だから人はやる気になる。
 ゴール設定が不明瞭であったり、実現不可能なものであれば、やる気は起こらない、ないし、すぐになくなる。

 今日は日本人にとっての英語学習のゴールについて考えてみた。

 これも、受験生と成人ではゴールは違うであろう。

 受験生は入学試験に合格すること。
 ここでは、成人で、特にそのようなことがない人のための英学習について述べたい。
 また、中学英語は一応分かる(つもり、あるいは、分かったことがある、というのも可)というくらいの英語の学力を有する人を対象にしてお話をしたい。




私はこんな絵空事は言わない 聞かない 気に留めない

§1 どのようにするか? 英文の暗記、準暗記 こそが重要。

 英文法の本を用意する。高校生対象、あるいは、それ以上のものでも良い。
 そして、その中の8000文くらいをマスターする。

 8000文とは何か? マスターするとは何か? について述べたい。

 1)8000文とは何か。

 いわゆる高校用の英文法の参考書には、8000くらいの例文がそれこそ各々の文法事項にそって掲載されている。
 
 その他に、ことわざや金言を1000くらい覚える。これで終わりである。これでだいたい8000文から1万文くらいになるのではないか。一応、8000文と言うこととする。
 8000文とはこのような意味である。

 8000が多いか、少ないか。あまり調子の良いことを言ってしょうがない。安っぽい英語教材の謳い文句をここで皆様に聞かせる気も私にはない。
 語学のマスターは難しいことである。故に8000とか1万とか言う数字も出てくる。しかし、私のこれから言うことは現実不可能なことではない。むしろ、可能である。
 努力だけで何とかなることであるし、それは実のある努力であると確信する。

 英文法というのは解説を読んだら、するすると分かる、という代物ではない。体で分からないといけない。そのために、上記のように暗記、ないしは、文中の単語を2-3個隠されても分かる、とか、英語を聞いたら分かる、とか、いわゆる「準暗記」(後述)と呼べば良いのか・・・そのようなことをやっていくと、英文法がしっかりと体で分かるだろうし、これしか、理解の道はないのである。


だいたいこのようなものの中から選んでやっていくと良いと思う。


 2)マスターする、とは何か?

 8000文なりをどうするか。一番良いのは、暗記である。
 日本文を見たら英語で言えること。上記の8000文でこれができたら本当に素晴らしい。

 しかし、そこまで気張らずとも良いのではないかと思う。

 準暗記、というものでよろしいかと思う。
 準暗記、とは何か。

 各文でその文章中の単語を1個か2個隠す。

 それが分かるようになる。書けるようになる。それで良いと思う。

 さらに言うと、日本文もなく、英語の音源があればそれを聞く。そしてその隠した単語が分かると良いと思う。

 英語を3回くらい聞いて書けるようになっていれば良いのではないか。

 これが準暗記である。

 仮にこれをテストみたいので審査するとしたら、各分で単語を1個か2個隠す。それを当てる。

 ないしは、そして、1回か2回英文を聞いて、ブランクの単語を書く、みたいな問題がよろしいかと思う。

 センター試験のヒアリング試験はこのような感じで良いのではないか。
 今みたいなバカみたいな軽薄なスキットを聞いてくだらない質問に答えるような問題はあまりにもおバカすぎる。

§2 ゴールは?
 
 それが出来たらゴールと見なしたら良い。かなりの高い水準であると思う。 語学の勉強というのはこれでひと段落なのではないだろうか。


§3 更なる発展は? ネイティブを超えて

 「更なる発展を目指し、ネイティブを越える」何やら大言雑語をしているように思われるかもしれない。

 具体的に述べていこう。
  
 私の言いたいところは明確である。

 英語の文学作品を読みたい人は読んだらよろしい。英米人のネイティブ以上に読めるようになるだろう。英米人でも著名な文学作品を読み込める人はそうはいない。

 私のように、仕事で使いたいとする。例えば、私は医師であり、骨粗鬆症を専門としている。されば、骨粗鬆症の医学論文を読んだら良いのではないだろうか。もちろん普通の英米人のネイティブよりも読めるであろう。まあ、私はこのような訓練を受けてきたので、普通の英米人よりは、整形外科関係の論文や骨粗鬆症の論文ならば、もちろん読むことが出来ると思う。

 「学生時代6年間も英語を勉強して新聞すら読めない」と嘆く人もいる。新聞や雑誌は意外と難しい。アメリカの、あるいはイギリスの、話題の中心になっていることを知らなくてはいけない。それでないと理解できない。なぜか。そのようなことは書いていないから。

 例えば、日本でも、たとえば、日本ハムのファンであれば「大谷翔平」と来たら、10か20のことは言わなくても了解事項なのである。
 北海道の球団 日本ハム・ファイターズに所属。まだまだ若手であるが、プロでは珍しくピッチャーで4番バッターであること。怪我をして休んでいる。そろそろ復帰しつつあること。日本ハムのメディカルチームにちょっと活けていない面があったのではないか、ということも言われていること。
 このようなことは誰でも知っている。故に新聞もこのようなことを前提として書かれている。故にこのようなことを知らないと新聞を読んでもわからないしピンと来ないだろう。

 故にあちらの新聞を読む、という目標を自分の中で設定したとしたら、さらに、どの分野の記事を読みたいのか、まで設定する。政治、経済、スポーツ、芸能界のこと。それぞれの分野の今のあちらのホットな話題をある程度探り精通する。かつ、このような分野分野では、特殊な用語、つまり専門用語を使っているので、それも覚えておく。
 そのようなことをすれば、新聞を読むこともそんなに難しいことではないだろう、と思う。



§4 あらためて、英検 や TOEICなどの検定を考えると・・・

 §2でやったような勉強をするとそれ自体が目標になる。「チャート式 全部終わった」とか「英文法解説(江川泰一郎 著)を半分終わった」でも良い。
 すると、特に、英検、とか、TOEICとかいう、既存の検定試験を意識する必要など、もう無くなると思う。
 それよりも自分の仕事の分野、自分が本当に好きな分野の英語での情報を積極的に取って行くほうが、英検、とか、TOEICなどよりも実のあることであろう。


世の中にはいろいろは英語関連の検定試験があるが・・・・



§5 英語社内公用語化の楽天の失敗の原因は何か?

 7-8年前に楽天の三木谷社長が、楽天社内での英語公用語化をぶち上げ世間を驚かせた。しかし、私は最初からこれは失敗する、と読んでいた。
 なぜか。英語で情報を取る、ということは必要であるし、重要である。素直に考えると、であれば、そうやったら、というだけである。

 企業であれば、技術部門、販売部門、マーケッティングなどいろいろな部署がある。それぞれの部署で英語ででも、ドイツ語ででも中国語ででも、時にアラビア語ででも情報をどんどん取っていけば良いのである。楽天のような大企業になったら、なおさらそうであろう。

 しかし、楽天は何をトチ狂ったか、TOEICの「社内コンテスト」を始めたのである。TOEICで良い点を取らないと上にもいけないし、降格される、と明瞭に行ってしまったのである。

 楽天の社員にとって仕事の内容より、TOEICこそが重要なこととなった。
 しかし、TOEICなんて、どこまで行っても一つの検定試験に過ぎないし、社会人にとっては「趣味」なのである。
 そんなものに社員の全精力を使わせてしまった。結果・・・
 
 無残である。
 英語公用語化を上げた時、楽天はこの分野の少なくても日本国内ではトップであった。というか、アマゾンもまだまだ影が薄く、ネット通販では、楽天の一人勝ちであった。
 しかし、今はどうか。アマゾンには世界ではおろか、日本でも大きく水を開けられている。
 また、電化製品ではヨドバシみたいなリアルショップで、また、事務用品はアスクルのような専門的なネットショップで、と消費者も動いている。楽天の出番はどんどん縮小している。
 三木谷は社員の向かわせる方向を間違えたのである。間違えた方向に走らせてしまった。一趣味に過ぎないTOEICである。
 本来なら、仕事に向かわせるべきであった。つまり、ネット販売どうするか、ということである。
 まあ、なるべくしてなった、というだけであろう。


TOEICで700点とか800点を取ったという人がいる。
出来るんだなあ、と思う。
でもあくまでも、成人にとっては趣味なのである。
趣味が仕事に役立つこともあるだろう。素晴らしい。
 それがお金に結びつくこともあるだろう。
三線を弾いたら、宴会がすごく盛り上がった、ということもある。
それはそれで私にとって気持ちの良い体験であった。
しかし、社員全員を社主がお好みの特定の「趣味」に向かわせてしまってどうする。

楽天はそれをやってしまった、というだけではないか。


§6 私の立ち位置
 私がなぜこのようなことを書いているのか、というと、結局思うに英語の教育論、ということを考えることが好きなのだろうと思う。
 受験生は受験英語を一生懸命やったらよろしいかと思う。それが目標なのだから。
 私が考えているのは、成人の、あるいは、社会人の英語の勉強はどうあるべきか、ということ。
 自分はあまり英語は得意ではないと思う。他の人に比べて不得意と小さくなる必要もないと思うが、得意だ、と増長していうほどでもない。

 自分なりに色々試してみて、結局は§2で述べた文法の参考書を暗記、ないしは、準暗記、さらに英語のことわざ、名文を1000ほど、これも暗記、準暗記をすることにより、英文法を体でマスターする、という勉強法に尽きる、と思う。

 それがひと段落したら、あとは各々のやるべき分野、仕事でも己の好きな分野での英語の力を伸ばせば良いのだ。別に、英検、TOEICなどの検定の点数を気にする必要などないと思う。

 もっと言えば、人には、得手不得手がある。
 言うまでもないことだが、英語がすべてではない。
 サッカーでもゴルフでも、格闘技でも良いではないか。
 ギターでも三線でもよろしいかと思う。

 好きなものを突き進めば、人生で大きな実りを手にすることが出来るであろう。


2017年7月26日水曜日

パックス(PACS : 画像転送システム)、なんで導入するのかさっぱり分からん

平成29年7月25日(火)晴れ

 今日は暑い日。蒸し暑い。

 最近の病院経営というものは本当に大変である。
 こんなことでよその病院はどのようにやっているのか。
 
 設備にばかり金がかかる。

 電カル(電子カルテ)だ、パックス(画像転送 保存システム)だ、とか言っていたら、金がいくらあっても足りない。

 電カルはカルテに過ぎないし、パックスは画像を見るだけの機械。

 今日はパックスを語ろう。

 レントゲン室で撮った画像を診察室やら看護室で見られるから便利だろう、というシステム。
 だけど、そのシステム導入と維持にアホみたいな金がかかる。 

 しかも、ウイルスがついたら一編パーである。

 何かの拍子に、インターネットでダウンロードしたり、うっかりUSBを差し込んだら、ウイルスがついていたら終わり。
 自分だけのパソコンなら自分で注意すれば良いのだが、例えば大病院のインターネットはパックスは、何百台ものパソコンがネットを組んでいる。
 どこかで感染したら終わり。

 それに加えて、今や電カルはクラウドになっており、手持ちの自分のiPhone からどこからでもアクセスできるというのが売りのものも多い、というかこれが主流。
 自分のiPhone やら、パソコンがウイルス感染したら、病院のコンピューター数百台があっという間に感染する。
 これはもはや「売り」ではないだろう。


 なんでこんなものをやるのか、私にはまったく理解できない。
 もちろん私はどちらもやっていない。やる必要を感じない。

 夜にスタバに行き、漢字をする。漢検三略 下略の読み 5回、6、7回 をやった。


 今日のYouTuberの記事のアップは 鶴亀節 1番

 たぼられ の解析に手間取った。昨日、アップする予定が今日に。

 今日は夜中に車の中で三線を練習。ビールを飲みながら、ね。


 鶴亀節を練習 暗譜はしているが、3番の歌詞当てがうまくいかない。またちょっと勉強のし直しが必要だろう。
 明日は3番が「妥協なき」のテーマになるし。




【PACSとは】
 PACS(Picture Archiving and Communication System)とは、主に医療において使われるシステムで、CT, MRI, レントゲンフィルムなどの医療用画像データをネットワークでやりとりすることを言います。
 基本概念は1980年頃にできました。

 画像をモニターで見る、
 データ配信はネットワークを使う、
 医療機関同士のデータの配信もネットワークを使う、
 データの保存は電子的に行う、

 これらの4つの基本概念からできています。

 (ブログ主のコメント)
 いやあ、良いのだよ。非常に良い。でも金がかかり過ぎ。
 もう病院はやっていけない。


 

八重山島言葉の妥協なき完全理解 5  鶴亀節 1番 「川平村 上なか」

2017年7月22日土曜日

八重山民謡 鷲ぬ鳥の完全理解と、今の日本の政府が英語教育を通じて若者に求めるもの


動画で解説
 

さてさて・・・この動画。なかなかアクセス数が上がりません。
 You Tuberになることも考えているのですが、アクセス数がまったく上がらない。

 ある人から、難解すぎる、とのご指摘。

 なるほど。難しいのかな。
 文法とは、言葉の分類で、特殊な名前、つまり、文法用語がつく。
 だから、とっつきにくい。
 しかし、母国語以外は、文法を追いながらマスターしていくしかありません。

 英語のお勉強で、最近は政府自ら、文法を勉強するな、とか、文法の勉強ばかりしているから、日本人は英語ができない、と言う。まったくの暴論。
 政府がこんなことを言ってはいけないと思う。

 話は変わるが、下は、八重山の士族が重視した学問。
 これに長じた人が、八重山の蔵元やひいては琉球王朝府から重く用いられたのだろう。
 国家を担う人材として。
 

見ると、なるほどと頷けるものばかり。
学文、これは、漢文ではないかと思う。次に算勘、つまり数学。乗馬。
あと、いろいろある。
書道、花、茶・・・
謡、ともある。これは、我らが唄三線のことである。
あと、その周辺の太鼓、笛、などであろう。
唐楽。支那の芸術。冊封使をもてなすためか。
(八重山の芸術 大田静男 著 沖縄文庫 の冒頭)

 なるほど。国家が国家を担う人材を担うために、士族の子弟に上記の学問を奨励して、優秀なものを重く召し抱えたのである。いつの時代、どこの国でもこのようにして、次世代の人間を育て、国家を繁栄させようとしたのである。

 翻って、今の日本の政府の英語教育に対する言い草。
 英文法をせずに、喋るのが大事、と言う。
 だが、英語で重く用いられるのは、英文法の確実な知識があり、向こうの要人ときちんと意思を疎通でき、大事なのは、書いてある文章を読めて、正確に書けること。うしろ二つが特に大事。

 重く用いる気もないのに、英文法は要らぬ、喋れれば良い、などという国家の要人は信用するに値しないだろう。その通りにやっていたらバカを見ること間違いなしであろうさ。
 
さてさて
 文法を勉強せずして、語学のマスターはありません。
 というか、文法を勉強しなければ、外国語にも八重山島言葉にも一歩も近づけません。
 文法は、長年、先人が培ってきた、語学マスターの知恵なのです。

 八重山言葉も同じ。
 しかも八重山言葉は日本語の親戚言葉。
 語順も同じでしょう。
 文法も同じ。

 単語で言い方の違うものがあるが、それはその都度覚える。造作無い。

 「まらしうん」=「生まれる」です。「う」が八重山ではなくなったのかな、とも思います。

 難しいのは、動詞、助動詞の変化とその結びつき。
 だから、この変化をここでは徹底的に押さえていきます。妥協はしません。
 故に「妥協なき完全理解」というタイトルをつけているのです。

 あと、日本語にもありますが、助詞の使い方が難しいです。 
 日本語と似ているようで違う。しかし、日本語を元に理解していくことが可能です。
 この助詞も「妥協なき完全理解」といきたいものです。

 これが壁であると思います。皆さん。壁を越えようや。
 壁を越えると、そこに豊穣な世界、弥勒世(みるくゆ)が広がっていることでしょう。

 このことこそが、このシリーズの目標です。

















妥協なき完全理解シリーズ
 3 鷲ぬ鳥節「綾ぱにば 生らしょーり」

 2 鳩間節「美しゃ むいだる」

 1 鳩間節 「鳩間中岡 走り登り」

2017年7月21日金曜日

医療機関の脅威 コンピューター・ウィルス


1,暗号型ランサムウイルスWannacry


コンピューターが感染されると、このような画面が出てきて、「親切」にも解決策を示してくれた。解決策はお金を払うということ。この事件では、3万円の値のビットコインが要求された。そんなに高くない。会社は病院の機能が止まっては致し方がない。払った企業も多数。犯人は100万ほど儲けたみたいである。
 このようなウィルス事件の場合、お金を払ってパスワードを教えてもらい、それを入れるとまたコンピューターが作動するのであるが、この事件の場合は、ダメであったという。お金の払い損になったのである。

 しかし、なるほど。お金の受け取りを銀行口座にすると、そこで足がついて逮捕されるであろうが、ビットコインならばそのようなこともないのであるな、と私は感心したね。このような時代なんだね。

 まあ、今後、このようなことはよく起こるだろう。身代金も3万ではなくて、その100倍くらい要求されることになるだろうな。

 しかし、感染したら、もうアウト。時間をかけても専門家を呼んで復旧をお願いする。必ず復旧するとは限らないし、お金も身代金より多くかかるだろう。

 あとの手は、システムを諦める・・・しかない。

 まあ、払ってしまうことも多いであろうな、と思う。

さて本題。今回の件の詳細は以下。

1)Microsoft Windowsを標的にしたランサムウエア。

2)ランサムウエアとは、PCをロックし、身代金(Ransom)を要求するタイプのコンピュータウイルス。

3)2017年5月12日から大規模なサイバー攻撃が開始され、150ヵ国の23万台以上のコンピュータに感染した。中国の大学、イギリスの20以上の国立病院、ドイツの駅、フランス日産ルノー工場、スペインの通信最大手Telefonica本社、アメリカのFedEx等に被害があった。

4)15日朝までに、3万8000ドル以上の支払いがあった模様。

5)脆弱性が残り、かつパソコンの接続ポート(ポート番号445)が開いた状態で、ネットに直接接続している(グローバルIPアドレスを持っている)パソコン・サーバーが被害に遭う可能性がある。日本での被害は、外部で感染したパソコンを、社内ネットワークに持ち込んだなどの原因か? 

6)Microsoftは、平成29年3月に当該脆弱性に対するパッチを当てていたので、アップデートされているWindowsでは感染することはなかった。

対策)TrendMicro社では、Wannacry対策として。
1 ネット接続の総点検
2 Windowsアップデートを行う
3 ウイルス対策ソフトを最新パターンに挙げている。



ポート445 は、確かに存在しているようだ

2.我が国での今までの感染事例
1)金沢大学附属病院での医療機器のウイルス感染事例
各部門で個別に導入したシステムから、他の部門の機器にウイルス感染が広がり、診療業務への影響が発生。USBメモリ経由の侵入であった。ウイルス検索・駆除ツール導入後のウイルスチェックでは、1000件近くの不正プログラムが検出された機器もあった。


2)千葉大は、女性職員が資料作成のため中国のウエブサイトを訪問したところ、Delf.DYに感染してしまったという。病院システムに導入されていたウィルス対策ソフトウェアでは検出できなかったようで、その結果病院の情報システムを通じ、午前7時半までに院内のほぼすべて、1300台のクライアントとサーバにまで広まってしまったという。このため、処方箋の発行や会計などの業務にも影響が及んだ


3,ウイルスの感染経路
1)メールによる感染
メール本文中のURLのクリック、添付ファイル、開いただけで感染。
不特定多数から特定少数への配布に変化してきている。

2)インターネットによる感染
ファイルのダウンロード、悪意あるページの閲覧など。
改ざんされたサイトに埋め込まれたリンクからダウンロードさせられる。企業サイトから個人サイトまで様々。「怪しいサイト」以外でも感染する。

3)ネットワークによる感染(現在の感染の主流)
OSやインターネット関連プログラム(FlashPlayer, AdobeReader, Java等)のセキュリティーホールを悪用し、つないでいるだけで感染する。ネットワークの1台が感染するとどんどん広がる。

4)各種記憶媒体からの感染
USB, CD-R, 外付けハードディスク、デジカメ、音楽プレーヤーなど、PCと接続可能なすべての媒体。自動再生機能が悪用されている。


4,ITセキュリティーの現状と求められる対策

ITヘルスケア学会2015特別講演 愛知医科大学特任教授深津博氏
1)情報漏洩の多くは人為的ミスで、特にUSBメモリ経由が多い。医療従事者はITリテラシーや情報セキュリティーに関心が薄い傾向がある。

2)市販のウイルス対策ソフトでは防ぎきれない。マルウエアの発生数は1日当たり87万種におよび、Symantec社の対策ソフトの「創始者」は、サイバー攻撃の45%しか食い止められないと認めている。

3)セキュリティー確保を前提に機器の性能を引き出す設計が重要。医療、ヘルスケア分野を対象とする脆弱性試験の義務化や、確実なリコール体制の確立が欠かせない。


とはいえ、対策には莫大な費用がかかる・・・・・し、3)は理想論だろうね。



とりあえず、すぐにやれることは以下であろう。

 簡単に言うと「結界を張る」と言うか、外科手術で言えば、清潔区域を設置して、そこに不潔なものを入れない、というような感じ。



点線の部分は清潔エリアです。外部から不潔なものをダウンロードしたり、USBを接触させることはやめましょう。
 USBを使いたければ、消毒(Formatしたものを使ってください。
 あと、クラウド型電子カルテなんかで、外から手持ちのiPhoneで病院のカルテを見たり、指示を出したり・・・と言うのは、もちろん、とんでもありません。というのが取り敢えずの対策だろうか。


これを医師会の会合(支部会)で発表したところ反響がかなりあり、いろいろ質問を受けた。皆、身近に感じているからである。

質問1:フォーマットされたUSBなら大丈夫とのことであるが、フォーマットしたPCが感染していたらどうなのか?

お答え:私は専門家でないからそこまでは分からない。ただ、自分の、あるいは会社のコンピューターにみだりにUSBを差し込むのはやめよう、ということ。

****

質問2:他の病院で撮った画像をCD-ROMに入れて持ち込まれることがある。今まで自分のパソコンで読んでいたが、これはまずいのか。

お答え:先方のパソコンが感染していたら、自分のパソコンも感染する。自分の電子カルテのパソコンは使わないで、もう一台別なパソコンを用意して、それで見たら良いのではないか。・・・(それでは、見られないが、との追加質問があった。画像だけなら見られるのではないか。しかし、それを取り込んでカルテに貼り付けたり、自分のところの画像ファイルに入れたりするのは、感染の原因となるのではないか)

************

質問3:自分のところシステム、電子カルテ、画像ファイリングシステムを外界から隔絶すれば良いのでは。自分のところはすでにそうしているが・・・

お答え:本当にそうなっているでしょうか。電子カルテでもレセコンでも、業者の本局のパソコンとネットで繋がっていて、頻繁にメンテナンス等を受けているものです。もちろん常時つながずに、特定の時間、とか、必要な時だけ繋いで、そのようなサービスを受けることも可能ではあるが、向こうもこちらも面倒臭いものである。
 電話がかかってきて、「メンテナンスをするからネットを繋いでください」「繋がりました」「メンテナンス終わりました」「はい、ネットを切ります」というのを1日1度はやらなければならなくなる。そのようなことをやっていますか? つまり本当にネットとは繋がっていないのか? ということ。現代ではそれは意外と難しいことです。というか、知らないうちに繋がっている、というのが現代のネット社会です。

 あと、診察室の机の上に、パソコンが置いてあり、それで紹介状んなどを書いたりしていると思いますが、プリントアウトをどうしているか? 従来ならプリンターとケーブルで繋がっていて、それで印刷する。何も問題はないが、インクが切れたらインクを入れ替えなければならないし、プリンターもいつも正常に作動するわけではない。
 故に、今や当院でもそうだし、多くの会社、病院では、コピー機と無線で繋がっていることが多いのではないだろうか。便利である。しかし、これもWiFiで繋がっている。インターネットが遮断されるとプリントもできないのである。
 それが現代のネットワークシステムであり、もはや「日常」ではないだろうか。